楓。
今日はミニチュア・ダックスフンドのかえでちゃんの命日だったそうです。
先週車を車検に出すためトランクを片付けていたところ、こんな本が出てきました!
『デューク』という江国香織さんの絵本。
去年8月の引越しで荷物をそのままトランクに載っけたままだったので先日の掃除まですっかり忘れていました。
この絵本は私の愛犬、ジョンが天国へ行った時に
ある人がくれた本です。
まだ私が実家に住んでいた頃の元気なジョンは、
その人にとってもなついていました。
散歩へ連れて行ってもらったり、おやつやミルクをもらったり。
わたしが帰って来るよりその人が来てくれた時の方が
しっぽを思いきりふって喜んでたかも。
私がその人に酷い事をしてしまっても、その人は変わらずジョンを愛してくれました。
それから数年経ち、4年前の10月ジョンは老衰で居なくなってしまったのですが、その時付き合っていた人や友達に
ジョンの死のこと、悲しいけれどこれで苦しませずに済むという安堵感とを伝えました。
けれどこの本をくれた人とはもう音信不通でした。
私自身はその時はすっかりその人のことを忘れていたのですが、何故かその人に感謝の意も込めてジョンの死を伝えたかったのです。
私が思い出したというより、ジョンが「お願い、伝えて」って言ってるみたいでした。
けれど電話番号もメールアドレスもわからない。
だからご迷惑かもしれなかったけど、手紙を書きました。
数日後、実家のポストにこの本と少し早めのクリスマス・カードが届いていました。
物語は愛犬デュークを亡くしてしまった飼い主の二十一歳の女の子のお話。
たまご料理と、アイスクリームと、梨が大好きなデューク。
すぐにすねるたちで、すねた横顔がジェームス・ディーンに似ていたデューク。
キスがとてもうまかったデューク。
デュークの死に悲しみながらも、次の日にアルバイトに行かねばならない彼女は、
電車でとあるハンサムな少年に出会います。
十九歳くらいの少年。
泣いている彼女はその少年に席を譲ってもらい、
お礼に「コーヒーをごちそうさせて」と言い、一日一緒に過ごした彼女。
その少年と居ると悲しみを忘れてしまっていたのですが、少年との別れ際、
夕方に近付くとまた彼女はデュークの居ない悲しみを想い出してしまうの。
何も知らずに一緒に歩く彼の横で、ひとり勝手にブルーになっている彼女。
(以下は『デューク』からの引用です。)
「今年ももう終わるなぁ」 少年が言った。
「そうね」
「来年はまた新しい年だね」
「そうね」
「今までずっと、僕は楽しかったよ」
「そう。私もよ」
下をむいたまま私が言うと、少年は私のあごをそっともちあげた。
「今までずっと、だよ」
なつかしい、深い目が私を見つめた。そして、少年は私にキスをした。
彼のキスがデュークのキスに似ていたから、彼女はすごく驚いてしまうの。
「僕もとても愛していたよ。
それだけ言いにきたんだ。じゃあね。元気で」
ジェームス・ディーンに似た淋しそうな顔の彼はそのままどこかへ駆けて行ってしまったのでした。
どんな形でこの世から居なくなったとは言え、
やっぱり可愛がって貰えた人を忘れやしないと思うし忘れて欲しくもないのではないかと、
私は思うのでした。
ジョンもシドも、かえでちゃんもドンちゃんも、ね。
この本をその人に貰ってから、恥ずかしいくらいひとり大泣きしてしまった。
それから私もこの本の主人公のように、悲しい気持ちがパっと消えたのだ。
まぁ・・・その時はまた別の深い深い想い出があるのだけど。
黒いスウェットの・・・
“ 瞬きするほど長い季節が来て
呼び合う名前がこだまし始める
聴こえる? ”
今夜、夢で逢えたらいいね。
今日は私もこの本とジョンの写真を抱っこして寝ようかな。
おやすみなさい☆彡